FP栗本物語6 :: FPとして~近況

無料相談を通じて得た実感

  • ここまでの流れを経て、2001年4月にFPとして独立を果たしました。
    この当時、仕事の多くが大阪だったこともあり、最初に事務所を構えたのは天満橋にあるマンションの1室でした。

    ところで、私のFP独立に至る道においては、多くのFPの方のお世話になっております。この場をお借りし、改めて感謝の意を表します。
    大阪での事務所立ち上げ時も、ある方に全面的なバックアップをしていただきました。

    独立した当時は、FP講座の講師郵政くらしの相談センターの2つが仕事の柱でした。

    この「暮らしの相談センター」は、今はもう存在しないのですが、当時は全国で実施されており、このころ独立されたFPの方は、ここでの相談員が出発点という方も多いんじゃないかと思います。
    いわゆる無料の貯蓄相談所でして、保険や運用、住宅ローンの相談が無料で受けられるということで、1日4枠の予約はいつも一杯だったと思います。もちろん少ない日もありましたけどね。

    約1年半ほど相談員を務め、延べ300人(もっとかな?)ぐらいの方のご相談を受けたわけですが、ここは公的な機関でしたので、具体的な話をすることは禁じられていましたし、「続きは個人的にお伺いします」といって名刺を渡すなどもってのほかでした。

    立場上当然のことではあるのですが、アドバイス自体が中途半端なものになってしまい歯がゆさを感じていたのも事実です。

    それでも、利用者の多くの方には大変好評だったようで、「こういうところがあるなんて知らなかった」「もっと早く来たかった」という声も多く頂いていたようです。FPが求められているんだ、という実感を持った瞬間であり、私の個別相談の原点でもあります。

    その後、保険のときのお客様やそのご紹介などによって、有料での相談業務や顧問契約も少しずつ頂き、個別相談を受けるFPとしての活動が広がっていきました。

    業務の充実、そして地元へ

    独立後半年ほど経ったころでしょうか、事務所立ち上げ時にお世話になり、その後も多くの仕事を一緒にしていたFPの方から、「どうせやったらうちの事務所を使わへんか?」というお話をいただきまして、その方の事務所の一角を間借りすることになりました。

    それから約2年間に渡り、色々と仕事をご一緒させていただきましたが、元来が一匹狼気質で、自由に動きたいという想いが強くなっていたことと、最終的には地元である滋賀県に事務所を構えたいという気持ちがありましたので、2003年7月に、有限会社エフピーオアシス(現:株式会社エフピーオアシス)を滋賀県草津市に設立し、拠点を移すことになったのです。

    この頃になると、FP資格の取得者も大幅に増えてきたこともあり、講師業や原稿書きなどは随分仕事の単価が下がっていましたが、講師としてはそれなりに実績を積んできたこともあり、仕事の幅はどんどん広がっておりました。

    関西地区の多くの大学に、FP講座の講師として行くようになったのもこの頃です。特に母校でもある立命館大学では、FP講座立ち上げの時からお手伝いさせていただき、9年ほどに渡って多くの学生さんがFP資格を取得されていくのを見てきましたので、その思い入れもひとしおです。

    それ以外では、滋賀県金融広報委員会の金融広報アドバイザーとして登録していたり、金融知力普及協会の認定インストラクターとしての活動も始めました。
    ここでの活動では、主に企業や学校、地元の自治会などでセミナーを行うことで、お金周りの様々な知識や情報を多くの方にお伝えしています。

    そもそもが人前で話をするのが好きな人間でしたから、最終的には講演業に専念するに至るわけですが、こうした活動の原点は、ここで記してきた2004年から2008年ごろの活動にあったのではないかと思います。

    世の中では、2004年のアテネオリンピックの年に新紙幣が発行され、2005年には愛・地球博の開催、トリノオリンピックがあった2006年にはライブドアショックが起こりました。2007年には郵政民営化のスタートとともに第1回東京マラソンが開催。北京オリンピックが開催された2008年にはリーマンショックが起こるという、記憶に残る様々な出来事のあった期間でもありました。

    国民総FP化計画

    一方、このころは個別の相談業務も随分増えてきた時期でもありました。ただ、1人でやっている限り、相談業務には物理的な限界があります。どれだけ頑張っても対応できる人数は限られるからです。

    当たり前ですが、1日は24時間しかなく、1年は365日しかありません。
    その中で、もっと多くの人にFPを知ってもらって、FPの知識を自分の生活に取り入れて、様々な不安を取り除いてもらいたいっていう思いはどんどん強くなっていきました。

    そんなある日にふと思ったのが、「それならば、みんながFPの知識を持てばいいんじゃないか」っていう単純かつ強引な考えだったわけです。

    私の中ではこれを『国民総FP化計画』と名づけております。
    資格を取るかどうかは別としまして、自分の生活に関するお金周りの知識は、少なくとも家族や親族、身近な友人の中で聞ける相手がいるという状況を作れればいいなっていう、ある意味単純で、ある意味無謀な考えです。

    ただ、これを考えついた時から「実現するためにはネットの活用しかない!」と思っていまして、それが形になった最初がこちらのサイトであり、2010年7月に立ち上げたFPスクールのサイトであるわけです。

    ちなみにFPOASiSのサイトの立ち上げは、ある人物の存在なしにありえなかったわけですが、独立当初からずっと私の仕事をサポートしてくれている唯一のパートナーです。本当に感謝です。

    さて、国民総FP化計画によって、みんながFPの知識をもったら、「FPとしての仕事がなくなるんじゃないの?」という疑問はもっともなんですが、私はそうは思っておりません。

    実は、私がご相談を受ける方の中には、FPの勉強をされた方が少なくありません。
    FPを勉強することによって、自分のライフプランを真剣に考えるようになり、その過程で、「何が問題なのか」「何をやらなくてはいけないのか」という課題が発生するわけですが、これを1人の力で解決するのはなかなか大変ですし、考えるべき方向はわかっていても、具体的な解決策までにはたどり着けないというケースも多いわけです。

    このような場面では、知りたいことがすぐに調べられるというここのようなコミュニティーの存在や、聞きたい時にすぐに聞けるという、個別相談に対応するFPの存在がとても大事になってくるのではないかと、切実に思うわけです。

FP栗本物語5へ                                                                                               最後にへ