ライフプランの基礎知識

ライフプランを意識すること

  • ここでは、何を行うにもまず考えていただきたい「ライフプラン」について述べます。
    各部屋に共通の文章になりますので、一度どこかで読んでいただいたら十分です。 「ライフプラン」と一言で言ってもなかなかピンと来ないかもしれませんが、我々FPがお金に関する様々なご相談をお受けするときに、お客様と一緒にまず作成するのがこの「ライフプラン」なのです。 例えば、お金の運用一つをとっても、まず「なぜ運用するの?」と考えてみてください。 「儲けるため?」 確かにそれが当面の目標になるかもしれませんが、最終目的ではないですよね。 それよりも大切なのは「お金が増えたことで何をしたいのか」ではないでしょうか?
    そう、目的があってこそはじめて知識や情報を得る意味が出るんですよね。
    だから「ライフプラン」を意識することはとても重要なのです。
    「ライフプラン」は直訳すると「生活設計」。
    そのままです。明確に定義付けるのは難しいのですが、ここでは、「今後の人生計画」という理解で十分だと思います。 人生計画をお持ちですか?と改めて問われると戸惑う方もいらっしゃるかもしれませんが、まずは下記の要領で一度作ってみてください。

人生のイベント表を作る

  • さて、変化の大きい今の時代に、今後の人生計画をはっきりと持ちなさいというのは難しいことかもしれません。でも最初は深く考えず、例えば、何歳ぐらいで結婚して、子どもは何人ぐらいで、いつ頃までに家を買って、こんな仕事をして、将来はこんな生活を送っていたい!という、漠然とした夢や希望を書き出すことからスタートします。 こういうことでしたら、なんとなく普段考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
    あとは、子どもの進学のタイミングとか、車の買換えの時期、旅行に行く予定など、少しずつ細かいことを肉付けしていきます。そうすると、結構具体的な時期がわかっていたりするものも多いことに気付くかもしれません。 このように、今後の計画を時系列でまとめ、ひとつの表にあらわしたものを「ライフイベント表」と呼びます。
    自分自身のことはもちろん、家族全員の年齢の推移を書いて、考えられる計画・出来事を該当する年齢のところに記入すれば、「いつ頃、どんな事を考えているのか?その時の自分と家族の年齢は何歳なのか?」などが、目で見てはっきりわかるようになっていきます。 この「目で見てはっきりわかる」というのがとても大事でして、不思議な事に今まで漠然としか考えていなかった事が、急に現実味を帯びた出来事として感じられるようになってくるのです。 ここまできたら、次は「そのイベントを実行するためにはいくらぐらいかかるのか?」を考えてみてください。
    できれば、色々な数字を調べたり聞いたりして、より現実的な金額であると実感も伴ってくるでしょう。ただ、この段階ではあくまでもざっくりとした想像の数値で結構です。
    「この金額だと厳しいかな・・・」とか「こんなの無理に決まってる!」というように、決めつけてしまわないようにしてください。
    もちろん、程度問題ではありますが・・・。

お金の流れも表にする(1)

  • おおよそのライフイベントが決まりましたら、次に作るのは「好き勝手に考えた計画」を現実的な課題に置きかえる第1歩となる「キャッシュフロー表」です。 「キャッシュフロー表」とは、その名の通り「お金の流れ」を表したものです。
    「ライフイベント表」に描いた夢や希望に添って「その夢を達成するためにはいくらかかかるか?」を具体的に考えていくわけです。 例えばマイホームでしたら、希望の物件(まずは妥協しない内容で!)がいくらくらいなのかを調べます。
    それが把握できたら「ライフイベント表」に設定した時期の支出として「キャッシュフロー表」に記載するわけです。
    この時に出ていくお金は、「頭金+諸経費」ですよね。その後のローン返済額は、翌年以降の「住宅関連の支出」となって返済が終了するまで続くわけです。 こんな風に一つ一つのイベントについて、「いくら必要なのか」を考えて、金額を埋めていきましょう。
    お子さんがいらっしゃるご家庭では、子どもの進学時期などに応じて必要な教育費は絶対に避けて通れない決まった支出となりますので特にご注意を。 その他にも、基本的な生活費や保険や共済の掛け金など、今も今後も決まって出ていくお金はすべて支出項目として数値を入れていきます。車の維持費などもそうですよね。
    これらの支出をもれなく記すために、最低限次の6つの項目を作ることをお薦めします。

    基本生活費:月々の生活に最低限かかるお金。食費や光熱費などが含まれます。
    住居関連費:賃貸にお住まいの方は家賃。ローンの返済がある方はその金額。さらに固定資産税やマンションの場合の管理費なんかもこの項目に入ってきます。
    教育関連費:学校に払うお金、塾やお稽古事に払うお金など、子供にかかるお金はすべてここにカウントしていきます。
    保険料:特に生命保険や共済は長く続くものだけに、その支払総額はそれなりに大きな金額になるものです。ですから、固定の出費として単独の項目を作ることが望ましいでしょう。
    一時的な支出:車の購入や海外旅行など、継続性はないがまとまったお金が必要なイベントがここに入ってきます。
    その他の支出:以上の5つにあてはまらない出費を計上します。

    必ずしもこの6つにしなければいけないわけではないので、ご自身の状況に合わせていろいろな項目を加えていただいても大丈夫です。

お金の流れも表にする(2)

  • さて、次に収入項目です。
    収入は文字通り「家計に入ってくるお金」ですから、お給料はもちろん、年金や家賃収入なども含まれます。
    これらの継続的な収入とともに、学資保険や養老保険に加入していると決まった時期に保険金を受取ることができますので、これもその時期の収入として記入していくわけです。退職金なども見込額が想像できるのであれば入れておきましょう。
    収入ごとに項目は分ける方がわかりやすくなります。 この時に大事なのは「収入は額面金額ではなく手取額で考える」ということです。 例えば、年収600万円の人がいたとしても、そのすべてが手元に入ってくるわけでありませんよね。
    具体的には、所得税や住民税などの税金と年金や健康保険などの社会保険料がかかってきます。
    会社からお給料を受取っている人は、予めこれらのお金は差引かれているのです。 こうして、表面的な収入から税金や社会保険料など必ずかかるお金を差引いた金額のことを「可処分所得(かしょぶんしょとく)」と言います。
    平たく言うと「手取額」。そう、収入はこの「可処分所得」を使います。 税金や社会保険料がいくらになるのかは、その方の収入金額や家族構成などで変わってきますが、一般的な給与所得者(会社員の方)ならば、概ね年収の15%前後になります。
    つまり、可処分所得は表面的な年収の85%ぐらい。あくまでも目安ですよ。 もちろん、今後の収入がどうなるかなんて誰にもわかりませんので、「このままの収入が続くとしたら・・」とか「このぐらいは稼げるはずだから・・」という予測の数字でもまったく問題ありません。
    ずれた場合には見直しをすればいいわけですから。 さて、こうして毎年の「収入」と「支出」が把握できましたら、毎年の「収支」を出していってください。
    これは単純に「収入ー支出」で結構です。
    この数字が「赤字」ということは、その年の収入では支出が賄えないことを表しますから、貯蓄を取り崩すことになりますし、その時に貯蓄がなければ家計が破綻することを意味するわけです。
    なんとしても避けたい事態ですよね。 でも、こうやって将来の数字を把握できていれば、いつごろに危なくなるのかがわかりますし、その理由も見えてきますから、予め対策を考えることも可能になるのです。
    私達FPがお客様に行っているのも、基本的にはこういうことなのですが、見ての通り、やり方をちょっと身につければ自分でできることがほとんどです。 最後の「貯蓄残高」ですが、これは文字通りその時点での貯金の合計額になります。
    すべてを合算しても結構ですし、定期預金などの貯蓄型商品と株や投資信託・外貨預金などの投資型商品をわけて記入しても結構です。
    全体として見込める運用利率も考慮して、今後の推移を埋めていくようにしましょう。 もちろん、先ほど出てきた「年間の収支」が黒字であればその分「貯蓄残高」は増えますし、赤字であれば減ることになりますよね。
    「いつごろいくらぐらいの貯金が溜まっているか?」というのもよくわかるようになりますよ。 いかがでしょうか?
    長々と書いてきましたが、とにかく一度作ってみるのが一番。
    シンプルな見本をご用意してありますので、それを参考にご自分で計算してみると色々なことがわかって目的意識もさらに高まるでしょう。

キャッシュフロー表(サンプル)